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誰もがFlashクリエイターになって、フルFlashサイトが作れるというコンセプトでリリースした「ID」。
2004年の発売から8年間もの長い間、多くの方々に愛され、何万というFlashサイト(我々はIDサイトと呼んでいました)がこのソフトから生まれました。
改めて、IDを使ってくださったみなさま、IDサイトというジャンルを育ててくださったみなさまに、深くお礼申し上げます。

このソフトは、僕らデジタルステージとしては初めての「ウェブ制作ソフト」でした。
当時はFlashという技術は、憧れの的ではあったけれども、なかなか作ることは難しい。いわゆる「Flash使い」と呼ばれるプロの人たちが活躍している時代でした。
そんな中で、誰でもFlashサイトがつくれるようになったら、ウェブの世界が変わるのではないか?という思いつきで、このプロジェクトはスタートしました。

開発は京都と東京代々木で行なわれ、僕たちは何ヶ月も合宿所に籠もり、開発を続けました。
こうして完成したソフトは、予想を遥かに上回る方々に愛され、結果的に8年間もの長寿ソフトになりました。

その間、Flashという技術は世界中を席巻し、携帯電話やテレビも含むあらゆるデジタルデバイスに入る勢いでした。
Flashの技術がどんどんメジャーなものになるにつれ、Flashサイトが手軽に作れるIDも、本来Flashとは無縁だった様々な人たちに受け入れられ、僕らが予想しなかったような素晴らしいIDサイトの数々が生まれるようになっていきました。

しかしやがて時代はFlashでの派手な演出が求めれる時代から、徐々にHTMLによる本格的なサイトへの需要が多い時代へと移っていきました。
IDを開発した頃には、遊び心が大きかったウェブの世界ですが、2010年を過ぎると、今度は一般の多くの人が利用するようになったことで、「きちんとしたウェブサイトを簡単につくりたい」という要望が世の中でどんどん強くなっていったのです。

そこで僕らは「BiND」という、IDの姉妹ソフトの開発に着手することになりました。
BiNDは、フルHTMLの本格的なウェブ制作ソフトで、現時点でバージョン5まで進化しています。
BiNDの発売と同時に、IDも同じく進化を求められるようになりましたが、残念なことに、Flashが動かないiPhoneの登場と共に、Flashを使わない方向に世の中は動き始めました。
そうした流れがあったにせよ、IDを愛して使ってくださっていた方々も少なからずいました。
その方々の要望に僕たちはきちんと応えきれたかというと、その希望に応えきれなかった部分も多々あったのではないかと、今思い返すと反省するところです。

そしてここ1年ほどで、状況は再び激変します。
急激なウェブブラウザの進化と共に、再びIDが持っていた理念が、別の形で実現できる状況になってきました。
jQuery(ジェイ・クエリィ)と呼ばれる、新しい技術の登場です。

これはFlashに変わるものとして、世界中のウェブデザイナー、ウェブプログラマーが期待を寄せている最新技術です。
IDの登場から8年。Flashではなく、今度はHTMLベースで、Flashのようなアニメーションやサウンドなどを駆使したサイトがつくれるようになってきたのです。

しかしjQuery(ジェイ・クエリィ)は、Flashよりも数倍も制作が難しく、今の段階ではプロ中のプロしか扱えない技術に留まっています。
僕たちは思いました。「ああ、あの時と同じだ」と。
Flashが一部の人たちの特殊な技術だったときに、僕らはIDで「誰でもできるよ!」と提案したのです。
今度はjQuery(ジェイ・クエリィ)で、同じことをしてみよう。最新のデバイスで、パソコンでも、スマートフォンでも、動いて、音が鳴って、楽しいサイトがつくれる時代を切り開こう、と。

それが、明日発売になる「LiVE for WebLiFE(愛称:ライブ)」です。

残念ながら、Flashとは技術そのものが違うので、このコンセプトはまったく別のソフト名になりました。
開発もIDとはまったく違うものとして、ゼロから組み立てました。
そのため、LiVEとIDは互換性がなく、完全に別のソフトという扱いになります。
しかし、もしもIDを知っている方がLiVEを使ったら、きっとその中にIDの匂いや、あの時と同じ楽しい気持ちが蘇ってくるはずです。

IDから生まれた僕たちデジタルステージのDNAは、BiNDとLiVEという新しい2つのソフトに引き継がれ、これからも進化していきます。
こうした今日を迎えられ、僕らがソフト開発を続けていられるのも、すべてはID時代にソフトを購入してくださり、IDサイトを作ってくださったみなさまのお陰です。
8年もの長い間、本当にありがとうございました。

僕は、IDを通じて、たくさんのユーザーのみなさんと出会いました。
多くの方々と直接お話したこともありますし、数々の素敵なIDサイトを通じて知り合ったみなさんの顔を思い浮かべることができます。
そして、今のデジタルステージには、数人のIDユーザーがいます。彼らは今では立派なプログラマーやデザイナーになっています。
こうした、ソフトの売り上げ以上のものを僕らにもたらしてくれたIDに、僕は改めて感謝します。

素敵なソフトをつくり、みなさんと一緒に育て、クリエイティブの楽しみをこれからも追求していきたいと思います。

これからもデジタルステージをよろしくお願いします。


2012年7月26日 デジタルステージ
平野友康